【ファン・ジョンミン】俳優ファン・ジョンミンの魅力(前編)/ラジオ「ボリュームを上げます」

韓国KBSのラジオ番組「カン・ハナのボリュームを上げます」の中で、
毎週日曜日に「俳優を学ぶ日曜日」というコーナーが放送されています。
一人の俳優を取り上げて語るコーナーになっており、
有名な映画記者、批評家のペク・ウナさんがその俳優について語っています。
以前、このラジオを聞かれている方から教えていただき、
さっそくファン・ジョンミンさんの出演回を探して聞きました。

そこで、そのファン・ジョンミンさんの回をご紹介したいと思います。

 「俳優を学ぶ日曜日」ペク・ウナ所長について

KBSラジオ「ボリュームを上げます」の日曜日のコーナーは「배우는 일요일(俳優を学ぶ日曜日)」と言います。
韓国語の俳優(배우)と学ぶ(배우다、名詞を修飾する連体形は배우는になります)をかけたタイトルで、
おそらく、배우를 배우는 일요일(俳優を学ぶ日曜日)ということで、
取り上げられた俳優について勉強するコーナーとなっています。

出演されているペク・ウナさんは、
有名な映画記者、評論家で、もともと「シネ21」の記者だった方だそうです。
今は、「俳優研究所」というのを主宰されており、
映画を紹介するラジオ番組などもされているようです。

今回のラジオの中で話に出ていましたが、
映画や俳優などのビハインド話などを知りたいと思っても、
なかなか知る場所がない、俳優のインタビューぐらいしかなかった、
とDJのカン・ハナさんが言っています。
そんな中でこのように一人の俳優についてレビューする番組は貴重なようですね。
今では、YouTubeなどもありますけど、
やはり信頼できる適切な批評家かどうか、っていうのは分からない部分もありますよね。

実際、ファン・ジョンミンさんという俳優ってどんな俳優、と思った時、
それについて語られてるのものは少ない気がします。
そういう意味でも、これはとても興味深い内容でしたね。

KBSラジオ「ボリュームを上げます」のサイトはこちらです。
ジョンミンさん回は2020年6月21日放送分になります。
PCのサイトではすでに聞けなくなっていますが、
ポッドキャストではまだ聞けますので、検索してみてください。

강한나의 볼륨을 높여요
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また、ファン・ジョンミンさんの簡単なプロフィールをまとめた記事はこちらです。

韓国俳優ファン・ジョンミンさんプロフィール
韓国の俳優ファン・ジョンミンさんのプロフィールをまとめています。ソウル芸術大学の出身、演劇からのキャリアスタート、その...

 ファン・ジョンミンさんの魅力

 
まず、ファン・ジョンミンという俳優について、
どのように語られているか、まとめてみました。

韓国映画界、出演映画に外れなし(品質保証小切手)も同然の、演技力最強の俳優

「品質保証小切手」というのは、韓国語でよく使う言葉だそうですが、
この場合の意味としては、外れがない、何をみても面白い、ぐらいの意味になりますでしょうか。
ファン・ジョンミンさんを語る時、「ヒット保証小切手」みたいな言葉もよく使われますね。
保証小切手というのは、日本で言う、約束手形と同じような意味の言葉かなあと思います。

俳優としての実力があるだけなく、出演映画は常に面白い。
両方を持ち合わせる俳優というのは、なかなか少ないのかもしれません。
DJのカン・ハナさんも、ジョンミンさんを紹介する時、こんな風に言っていました。

俳優を志す人が心からなりたいと思う俳優と言っても過言ではない
そんな方、ファン・ジョンミンさんです

また、ファン・ジョンミンさんが、
初めて青龍映画祭で主演男優賞をとった時の有名なスピーチ、
「食膳所感」についても紹介されています。
韓国人なら知らない人はいないスピーチ、
10年以上たった今でもしばしば話題になることがありますね。

率直に言って、いつも人々に対してそう言ってます。私は一介の俳優の端くれだと。
なぜなら、60人にもなるスタッフと俳優たちが、こんな素敵な食事の膳を作っておいてくれてます。
それで、私は美味しく食べるだけすればよいんです。
それでも、スポットライトは私が全部受けます。それがとても申し訳なくて。

ファン・ジョンミン

※ちなみにスピーチは番組内でも流れますが、こちらに動画を貼っておきますね~

このスピーチの真意はもちろん、
映画はたくさんのスタッフによって作られており、
俳優の存在はその中の一部、ちっぽけなものでしかない、
だから、常にスタッフへの感謝を感じているーーー
という映画を作り上げるスタッフたちへの感謝を述べたものです。

ペク・ウナさんは、逆に
ファン・ジョンミンさんは「美味しく食べるだけ」と言っていますが、
本当にちゃんと食べてくれる人なので、
むしろ、スタッフや監督、映画を作る人たちにとって、
ファン・ジョンミンという俳優は、本当に食事の用意しがいのある、
そういう俳優だと言っていました。

この発想は面白かったです。
本当にお互いのリスペクトがあってこそ、よい映画はできるのでしょうね。

 主演男優賞と助演男優賞を同時受賞

番組の中では、ファン・ジョンミンさんのフィルモグラフィーを紹介するとともに、
ジョンミンさんの主な受賞歴を紹介していました。

やはり、その中でも注目されていたのは、
2005年の受賞歴です。
2005年は「ユア・マイ・サンシャイン」のヒットにより、
ファン・ジョンミンという俳優の名前が一般の人に知られることになり、
また、青龍映画賞で初めて主演男優賞を受賞し、
その時のスピーチが「食膳所感」として有名になりました。

なので、2005年はファン・ジョンミンさんにとって
もともと一躍名を上げた年といっても言ってもよいと思いますが、
ここで注目されたのは、
2005年に、ジョンミンさんが、
「ユア・マイ・サンシャイン」で主演男優賞、
「甘い人生」で助演男優賞を同時に受賞しているということです。

正確に言えば、
大韓民国映画大賞で、主演男優賞、助演男優賞を同時受賞し、
また、同年の青龍映画賞で主演男優賞(ユア・マイ・サンシャイン)、
同年の大鐘賞映画祭で助演男優賞(甘い人生)を受賞しています。

「ユア・マイ・サンシャイン」では田舎の純朴な青年


「甘い人生」では野卑で、残忍なヤクザもの

この2つの役は、本当にまったく正反対と言ってもいい役柄で、
しかも、撮影時期は数か月しか空いてなかったようです。
そのどちらの役も、観客に強烈な印象を残したこと、
また、主演という役柄、助演という役柄、
どちらの立場でも役者としての魅力を発揮できるということは
やはりすごいことなのでしょう。

ペク・ウナさんは、
俳優が主演でも助演でも評価され、認められ、
その間を行き来できることは
俳優という職業の夢の完成形ではないか、ということも言っていました。

さらに、ファン・ジョンミンさんが
ほぼデビュー作といっても差し支えない「ワイキキブラザーズ」のオーディションに受かった頃、
シネ21の取材を受けに、会社に来た時の話をしていました。
取材をした記者がジョンミンさんのことをこう言っていたそうです。

原石のようだった。
削られる前のダイアモンドのようにざらざらとした表面を持った原石のような人

映画界へのデビューとなったこの時(2001年)から、
2005年の映画賞の受賞まで約5年。
ペク・ウナさんは、むしろ成功まで5年もかからなかったと見るべきだと。
ジョンミンさんは95年から舞台で(主にミュージカルで)基本的な技術を固めており、
当時からとても光る俳優がいる、と噂されていたとのこと。
この舞台での経験が、5年たらずでの成功への力になった、
とも言っています。

 俳優ファン・ジョンミンはどんな人?

まず、ペク・ウナさんから見た俳優ファン・ジョンミン。
これをジョンミンさんの作品にかけて
「いつでも入っていきたいエレベーター」のような俳優、と言っています。
もちろん「新しき世界」のエレベーターシーンと名セリフ「トロワ~トロワ~」をかけたものですね😊

ファン・ジョンミンという俳優が作る映画という四角い空間、
その中に入った瞬間、どんな楽しさが待っているか。
それは、涙であったり、喜びだったり、また笑いであったり、恐怖だったり。
それらを必ずや与えてくれる。

とにかく、そのエレベーターに乗れば、観客は必ず楽しめるんです。

「四角い空間」というのは、もちろんスクリーンですけど、
エレベーターにもかけてるんですね。おもしろいです~

ペク・ウナさんは、
ジョンミンさんが、ヒットを約束してくれる、商業的な信頼を受けている俳優であること、
また、本当に多様なキャラクターを見せてくれる、
演じることができることに触れていました。

「ユア・マイ・サイシャイン」の愛以外は何も知らないというような純朴な青年から
悪辣なキャラクターまで、
本当に多様なキャラクターを見せてくれる、
だから、観客はいつでも楽しみに彼の映画を見に行ける、とのことでした。

映画というエレベーターにあらかじめ乗り込んで、
いつも「トロワ~トロワ~」と言っているそんな俳優

 人間ファン・ジョンミンはどんな人?

さらに、人間ファン・ジョンミンについては、
こちらも出演作やセリフなどにかけてこう言っています。
「浩然の気あふれるベテランブラザー」

浩然の気とは、「工作」に出てくる重要なワードです。
ここでは、ペク・ウナさんが
「曲げることのない、揺らぐことのない、正しく大きな心」と説明しています。

俳優として生きる中で、
揺らいだり、曲げたりしなければならない瞬間がたくさん訪れたでしょう。
それでも、その映画で証明してきたことですが、
今まで、作品を作っていくあらゆる過程で、
揺らぐことも、曲げることもなく、ここまできた、
そんな演技についての「浩然の気」持っている俳優でもあり、
演技について大きな心を持っている俳優です

そして、後輩俳優たちから見ると、
あの先輩のようになりたいと思う、俳優のベテラン、
ブラザーのような人と、表現しています。
もちろん、ベテランは作品名、ブラザーは「新しき世界」での名セリフから取っています。

でも、この話はちょっと分かります💦
トークやインタビューなどで、話されてるのを聞くと、
演技とか演じることについて、
一本筋が通っているというか、信念のある人だなあと感じます。
そして、それを感覚的に貫くのではなく、
ちゃんと監督やスタッフに語って、理解してもらう努力もされているとも思います。

余談ですが、
人間ファン・ジョンミンの話の中で、
DJのカン・ハナさんが、
ジョンミンさんは瞳がちょっとうるっとしているというか、
ちょっとロマンチックな光がある、そんな感じありませんか?
という感想を話したら、

ペク・ウナさんが、
「そんな感情的な方じゃないですよ、
そういう言葉にとてもクールに「何言ってんだよ」って言う
そんな種類の浩然の気です」
と言っていたのが、面白かったです。

本当にジョンミンさん「何だよ!」って言いそう…😊

長くなりましたので、後半に続きます。



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