ファン・ジョンミンさんと言えば、「ベテラン」や「新しき世界」「国際市場で逢いましょう」「コクソン」など様々な代表作があり、ジャンルもアクション、ノワール、人間ドラマなど多岐に渡っています。
そんなファン・ジョンミンさんは常々インタビューで
「恋愛映画が好き、恋愛映画に出たい」
という話をされてるんですね。
でも、ファン・ジョンミンさんはどちらかとえいば、アクションとかノワールとか、ヒューマンドラマとかの方が似合っているのになあと、
恋愛ものが苦手というか、そんなに好みじゃない私は素朴に「どうして恋愛映画⁉」と思ってしまいました。
でも、ジョンミンさんの恋愛映画が好きな理由を聞いて、ジョンミンさんらしいなあと納得してしまいました。
ジョンミンさんが恋愛映画が好きな理由について、トークなどを振り返りながらご紹介していきたいと思います。
ファン・ジョンミンさんと恋愛映画
ファン・ジョンミンさんには40本近くの出演作がありますが、
そのうち、ちゃんとした恋愛映画といえるものは実は数本しかありません。
やはり、ジョンミンさん自体、ラブストーリーの似合うロマンティックなイケメンタイプの俳優ではないというのはありますが、
それでも、若い頃は「ユア・マイ・サンシャイン」のイメージが強かったので、
それなりに恋愛映画の似合う俳優だと思われていたようです💦
2008年に放送されたトークバラエティ「膝打ち導師」では、
ヒット作には女優との共演作が多く、男優との共演作はあんまりヒットしていない、とか、
女優運に恵まれた、女優パワーを持っている俳優と紹介されていました(まじで今では考えられない発言ですね💦)
特にイケメンでもないのに、次々と美女女優と共演していてうらやましい的なことも言われてました。
やはり、イメージが決定的に変わったのは「新しき世界」のヒット以降でしょうか。
このあたりから、ノワール、アクション、ブロマンスというイメージが強くなったのかなあ~と思います。
みんなのブラザー、兄貴的な感じというか💦
そして、何より大きいのは、
韓国映画の中で、恋愛映画がなかなか作られなくなったということがあります。
ジョンミンさんも言及されていますが、恋愛映画を作る制作会社が本当にないようです。
現実問題、恋愛映画があまり興行的にヒットしないということが原因としてあるのではないかと思います。
ドラマではあんなに恋愛ドラマ多いので、韓国の人ってラブストーリー好きなのかなあと勝手に思ってましたが、
映画ではやはり恋愛映画はあまりヒットが見込めないのが現状です。
ヒット作であれば、普通に500万人以上、まれに1,000万人以上の観客動員がある韓国映画の中で、
通常、恋愛映画はヒットしても300万人程度の観客動員になりますので、
現在はあまり人気がないと言われても仕方ないのだろうと思います。
そういう事情もあり、ジョンミンさんにも恋愛映画のオファーはあまりないのでしょう。
(もちろん年齢的なものもありますが…大人の恋愛映画もありますからね)
昨年公開された映画「ただ悪から救いたまえ」のプロモーションでも、
恋愛映画のオファーくださいって、何度も言ってました💦
最近は男優とばかり共演していて、女優と目を合わせたことがない、
などとよく言ってらして、
男との共演はむさくるしいから、女優と共演したいなあ~って感じで、
ちょっと面白くちゃかしたように言ってらっしゃいますが、
実は恋愛絵映画をやりたい理由が、ジョンミンさんなりにちゃんとあるんですよね。
スターチェアで語った恋愛映画を選んだ理由
2020年1月のスターチェアのイベントで、
ファン・ジョンミンさんは自分の映画のこの1本として、「ユア・マイ・サンシャイン」を選ばれました。
スターチェアとはロッテのチャリティイベントで、
俳優さんがロッテシネマのある映画館のある席をその俳優のスターチェアに指定し、
その1年間の収益がチャリティとして寄付されるというものです。
そのスターチェアを指定するイベントとして、
俳優さんが選ぶ映画の上映とトークショーが行われています。
その映画として選んだのが「ユア・マイ・サンシャイン」、恋愛映画でした。
このトークショーの中で、司会者からも、いろいろ名作がある中、この映画を選んだ理由が気になります、と質問されて、
ジョンミンさん以下のように答えています。
まず、この映画を通して、
ファン・ジョンミンという俳優がいるということを知ってもらった。
そして、この映画は、私にとっては、
最初の主演男優賞を受賞させてくれた作品だったからです。また、基本的に私は恋愛映画がとても好きです。
恋愛の話を扱っている映画がとても好きなんですけど、
最近はそのような映画がまったく制作されなくて…制作されないだけでなく、
それをやりたいと言って、やれる場所もなくて、
そういう作品もないので、
たまに誰かが愛する話を見守っているような感じで映画を見たいんですが、
そういう映画がないのでちょっと残念じゃないですか。
だから、この映画を皆さんと一緒に見たいと思って、選びました。
そして、なぜ恋愛映画が好きなのかについては、こう語っています。
私はただ恋愛映画が好きというより、
とにかく芸人(광대)として、作品を通して観客と通じ合い、会話をすることが好きなんです。
重要なのは、ラブストーリーは観客と通じ合うのが最もしやすい話だということです。
なぜなら、誰もが人を愛し、そして、誰もが人を愛したいからです。
そして、誰もが愛についてよく知っていて、
恋愛相手の感情や自分の感情についてとてもよく知っているので、
恋愛映画で愛について話す時は、とても観客と通じ合いやすくなります。
それがとても楽しいんです。
ジョンミンさんは常に、役者とは「作品を通して観客と通じ合うこと」であると昔から語っています。
作品を通して観客と通じ合える、そんな幸せな職業は役者しかない、と思って俳優になったと言ってもいました。
もちろん、これは、俳優に限らず、芸術表現に関する職業の人なら、何よりも大切にされている部分じゃないかと思います。
(余談ですが、私の大好きなレジェンドバレエダンサーが、大切なのはいかに高く早く飛んだり、回ったりするかではない、いかに自分の声を、声なき声を観客に届けるかだ、とおしゃっていたことを思い出しました)
ジョンミンさんは、もっとも観客と心を通わせる、通じ合わせることができる映画のジャンルは恋愛映画だから、
だから恋愛映画をやりたいと、そう思っているんですね。
そして、さらにこんなことも言っていました。
ただ、難しいのは観客も愛についてよく知っているので、
安易に演技をしたら全部ばれるということです。
だから、ち密にその感情を表現しなければなりません。
そして、初めて愛する人に会った時、好きになった時のその震えやときめき、
そういったすべてのものを観客もよく知っているので、
簡単には演技できない、それが私が恋愛映画をより好きになった理由です。
恋愛については誰もが経験があり、たやすく共感できる反面、
適当な演技はすぐにばれる、ということですね。
韓国の映画ファンはとにかく、「新派」と言われる(これ今でもどう訳したらいいのかよく分からないのですが)
見る者の感情に安易に訴えかけるような表現(泣かせにいく芝居とかですね)を
強烈に嫌ってますので(いや、本当にどうしてこんなに新派に厳しいのかと思うぐらい💦)
だからこそ、もともと新派的要素の強い恋愛映画で、
観客に納得させる演技をするのは、ますます挑戦しがいのあるものだと
ジョンミンさんはそう思っているのだと思います。
恋愛映画は韓国語でメロ映画と言います
また、「ベウ・ファット・スダ」という俳優とおしゃべりをするトーク動画でも、
ファン・ジョンミンさんは恋愛映画について詳しく語っています。
私が恋愛映画が好きなのは、
恋愛映画で愛の話をする時が、観客と通じ合いやすいからです。
なぜなら、誰もが人を愛したいし、愛されたいので、
そして、誰もが一度ぐらいは恋愛をしたことがあって、
その傷や痛みを全部知っているからです。
その感情を細かく知っているから、
だから、その細かな感情をうまく演じ切る時、
そうして観客と通じ合う時、
とてもとても幸せを感じるんです。
また、好きな恋愛映画としてジャック・ニコルソンの「恋愛小説家」を上げています。
この映画の時、ジャック・ニコルソンは60代だそうで、
ジャック・ニコルソンのように、年齢を重ねたなりの恋愛映画を表現したいと語っていますね。
ジャック・ニコルソンも60歳を過ぎてから
「恋愛小説家」という映画を撮りました。
とてもすばらしい映画を撮ったんじゃないですか。
私も同じように、そのような映画をやってみたいです。
それから、とても面白かったのが、
実は韓国語で恋愛映画のことを「メロ映画(멜로 영화)」というのですが、
最初、間違えて「エロ映画 (에로 영화)」と言ってしまい大変なことに💦
もちろん言い間違えなんですけど…
もう全然擁護できません😢
でも、そのシーンが面白かったので(←こら)💦
字幕付きの動画を上げてみました。
爆笑です~
ファン・ジョンミンさん出演恋愛映画
「ユア・マイ・サンシャイン」
「ユア・マイ・サンシャイン(너는 내 운명)」2005年
言わずとしれたジョンミンさんの代表作。相手役はチョン・ドヨンさんです。
田舎の牧場で働く、母と二人暮らしの独身男性ソクチュンが、
近所の喫茶店にやってきたウナ(実は売春婦なのですが)に一目ぼれし、
様々な障害を乗り越えて一途な愛を貫く物語です。
一人の女性を愛し続ける、純朴で善良な青年をジョンミンさんが好演しました。
この映画によりファン・ジョンミンという役者が世間に知られるようになった作品であり、
この映画により、ファン・ジョンミンさん初めての主演男優賞を受賞しました。
また、その青龍映画賞での受賞のスピーチは、「食膳所感」と呼ばれており、今でも語り草になっています。
「私の生涯で最も美しい一週間」
「私の生涯で最も美しい一週間(내생애 가장 아름다운 일주일)」(2005年)
6つのカップルの1週間を描いたオムニバス的な映画です。
2006年に福岡国際映画祭で上映されましたが、
日本語版のDVDが未発売のため、今日本語字幕のついたものを見ることはできません。
ファン・ジョンミンさんの相手役はオム・ジョンファさん。
フェミニストの女性医師と粗暴な刑事が出会い、最初は反発していたものの、
やがて惹かれていくという定番のストーリーですが、
ジョンミンさんの役がちょっと不器用で、どんどんかわいくなっていくのがいいですよ~
ぜひ日本語字幕付きで見られるようになってほしい作品でもあります。
予告編はネイバーにあります。
「ハピネス」
「ハピネス(행복)」(2007年)
「春の日は過ぎゆく」などで有名なホ・ジノ監督の作品で、
相手役はイム・スジョンさんになります。
ソウルでクラブを経営していたヨンスは、体を壊し、田舎の療養院に療養に行くのですが、
そこで、重い肺疾患を患うウニと出会い、二人は次第に恋に落ちていきます。
ファン・ジョンミンさんの出演作の中で、
一番素敵なビジュアルではないかと思っていますが💦
まあ、役は結構最低な野郎なので、微妙な恋愛映画でもありますね。
「傷だらけの二人」
「傷だらけの二人(남자가 사랑할 때)」(2014年)
相手役は、ハン・ヘジンさん。
借金の取り立てをして暮らしているヤクザな男テイルが、
銀行員のホジョンと出会い、初めて人を愛することを知り、
まともに生きようとあがく物語です。
ストーリー展開はまさしく新派的な展開ですが、
とても味わい深い映画に仕上がっています。
ポスターの「一生でただ一度 男が愛する時」というコピーがあまりにも染みる映画です。
まとめ
ファン・ジョンミンさんと恋愛映画について書いてきましたが、いかがでしたでしょうか?
正直、恋愛映画が似合う、似合わないもありますが、
どちらかと言えば、気心のしれた男優陣と作品やってる時の方が楽しそうに見えますよね~
男子校ののりが似合ってる感じです。
個人的に「フィスト・オブ・レジェンド」のプロモーションの時とか、
ジョンミンさんがとても楽しそうだったので💦
なかなか難しいとは思いますが、
大人な恋愛映画は見てみたい気がします。
コメント