【韓国ドラマ】「ハッシュ(허쉬)」第4話感想/ファン・ジョンミン

12月11日より、ファン・ジョンミンさん出演のドラマ「ハッシュ」が始まりました。
いずれ日本でも放送されると思いますが、それまで待ちきれずにご覧になっている方向けに簡単なご紹介(っていうか、自分的に印象に残った部分)を書いてます。
完全にネタバレです! あらすじ解説でもないので見ていない方、これから見ようという方には正直おすすめしません💦
あと、字幕がないため間違って理解している部分もあるかと思います。その点はご了承ください。

ネタバレ注意‼

■普通の人間のように生きて

ギョンウとともに、クモン社の採用不正を洗い直そうと決めたジュニョク。
それには、ジュニョクのチーム長であるキム・ギハの協力が必要不可欠です。
しかし、ギハに協力を求めますが、彼から拒否され、いったんはヤン次長、セジュンと極秘で始めることにします。

そんな時、ジュニョクがオフィスに戻ると、
局長の指示で、死んだスヨンの記事を再生産してアクセスを稼ごうという作業を
デジタルニュース部総出で行っていたのです。
しかも、その作業をインターンたちにまでさせていました。
仲間の死まで利用して稼ごうとする会社の姿勢にジュニョクは激怒します。

しかも、採用不正の再取材も、関係者が口をつぐんでしまい、
暗礁に乗り上げてしまいました。
その夜、ヤン次長、セジュン、ギョンウと酒を飲んでいたジュニョクは泥酔し、
まず、スヨンを殺したやつを捕まえようと言い出します。

これは、ジスの言っていた意味での殺人犯ということではなく、
間接的にスヨンを自殺に追いやった人物、ナ局長を告発しようと言うことです。
局長との昼食のことを知らないセジュンとギョンウを家に帰し、
ヤン次長はジュニョクを叱ります。
「何を言ってるの、誰を捕まえるって?」

局長のことを遺族にも言いたかったというジュニョクに、
あなたは言えない、あなたは局長が犯人だとは思ってはいない、と言うヤン次長。
スヨンはそんなことを言われたぐらいで死ぬような人間じゃない、
局長の言葉のために死んだのではないことは、ジュニョクもよく分かっているんですよね。
自分たちも局長ももっとひどい言葉を浴びながらここまで来たこともよく分かってる。
それでも、やりきれない思いを誰かにぶつけったかったのでしょう。
スヨンは弱いから死んだのか?局長に何の責任もないと?

「そうは言ってない。スヨンが善で、局長が悪だと決めつけるな」というヤン次長。
そうなんです…3話でもちらりと局長とのシーンがありましたが、
このドラマ、ナ局長を徹底的に悪い奴という風には描いていない。
彼もまた会社に生きるサラリーマンなのだという複雑さ。

でも、ジュニョクは言います。
あなたは私にタイトル釣りのようなことはやめろと言ったじゃないか。
だから私は正しいことをするんだ、そういうことでしょうと。

「どうして私がそう言ったと思う?
私はあなたに会社を救えって? 国を救えって?
私はただ、あなた自身を救って、って言ったんだ」

瞳を潤ませて、ひたとジュニョクを見つめて言うヤン次長。
なんかもう切ないんです…
さらにヤン次長は言います。

「あなたの過ちではないから、もういい加減荷を下ろして、
他の人たちのように生きて。ただ普通の人ように生きて」

ヤン次長のジュニョクへの真摯な思いが画面越しにも伝わってきて、
泣けてきました。
平凡な人間の平凡な幸せ。それはきっと何よりかけがえのないもの。
6年前、彼が失ってしまったのは、記者としての情熱だけではなく、
この平凡な幸せを失ってしまったことをヤン次長は知っています。

こんなにもジュニョクのことを心配してくれる仲間がいるのに、
彼が、何もかも心におさめ、平凡な人間のように生きられなかった理由も、
この後明かされていきます😢

■家に帰って、ゆっくり眠れ

さらに、ヤン次長はジュニョクが局長を告発することで、
会社はどうなるかと言う。
私たちのことはどうでもいいのか、セジュンやギハのことは?
みんな家族を養うために耐えてるんだーーー
そういうヤン次長にジュニョクは叫びます。

でも、デイリー韓国はメディアじゃないか‼
仲間の死でお金を稼ぐメディアがあるのか!

メディアだって、会社だからお金を稼がないと給料が払えない。
給料がもらえるから家族を養える。あのインターンだって同じだーーー

答えるヤン次長。
結局、喧嘩別れのようになり、店を後にするジュニョク。

酔ったまま、入院中の父親に電話をかけると、

家に帰れ。
辛いと思うけど、家に帰って、一晩ゆっくり眠れ。

眠って起きれば、いい答えが見つかると、父親はそう諭します。

父親の言葉に久しぶりに家に帰るジュニョク。

そうなんですよね。家には誰もいないんです。
たぶんずっと帰ってなかったんだろうなあと思わせる生活感のない家。
(ハイライトで映ってたジュニョクの家の寝室、私ずっとホテルの部屋だと思ってました💦)

どうやら、6年前の事件でジュニョクは妻と娘を失ってるようなんですよね。
たぶん少なくとも娘は亡くなってるのでしょう。
ヤン次長とのやりとりの最中に、
イPDの事件があり、会社の階段で泣き崩れるジュニョクに、
奥さんのスマホから電話が入るのですが、
ジュニョクが、会社で問題が起きて、今日娘を迎えに行けない…と言いかけて、
何か聞き絶句するシーンが流れていました。
(たぶん、ソンミンさん主演のドラマ「記憶」と同じパターンかなあと推測💦 記憶パターンだと奥さんとは離婚なんですが…)

ジュニョクには、
普通の人のように家族と共に過ごす平凡な幸せは残ってなかったんですね。
そして、ヤン次長やセジュン、ギハのように
家族を養うために、会社の不正に耐えていく、そんな家族もいなかったんですよね。

写真の中の娘に、
「ごめんな」と何度もつぶやくジュニョク。
だったら、もっと早く来てそう言わなきゃ、という娘のあどけないかわいい声が返ってくる。

その声にジュニョクは、過ちを犯したなら、謝罪して反省すべきだ、と気づき、
ヤン次長、セジュン、ギハにメールを打ちます。

「今日は私のせいで気分が悪かったでしょう。
すみません。
家に帰って家族の顔を見て、きっとストレスも吹き飛んでることでしょう」

そして、家に帰って、家族と過ごす3人の様子が、
3者3様に流れます。ギハが娘二人と遊んであげる姿は会社では想像つきませんね😊

やがて3人もジュニョクからのメールに気が付きます。

「私にとって、この6年間、あなたたちが私の家族で家でした。
何百回も諦めたい(投げ出したい)と思い、
しかし、いつもそこにあなたたちがいました」

台詞は「포기하고 싶다」だけで、何を諦めるのか、はなかったのですが、
スヨンのように人生を諦めたかった、ということでしょうかーーー
切なすぎる…

「でも、スヨンにとって私は先輩たちのような存在にはなれなかった。
今でも、スヨンにとって、後輩たちにとって、よい先輩になりたい。
愚かな後輩を許してくるなら、ミスギで会いましょう。奢ります」

自分は先輩たちがいてくれたから、死ぬことを思いとどまれた。
だけど、自分はスヨンにとってそういう存在にはなれなかった。
ジュニョクの後悔の思いと、先輩たちへの思いが伝わる真摯なメールでした。

■미숙とは生卵のこと

この4話の冒頭では、12年前、ジュニョクがデイリー韓国に入社した際、
ヤン次長、セジュン、ギハに連れられて、
「ミスギ」という屋台に行くシーンがあります。

미숙とは誰? と問うジュニョクに、
セジュンが、미숙(未熟)は生卵のことだと教えます。
固ゆでが완숙、半熟が반숙、で生卵が미숙です。
未熟者の未熟とかけているのでしょう。

これが目玉焼きになるのか、自ら殻破ってひよこになるのか。

デイリー韓国では、見習い記者が、
ここで生卵を飲むのが伝統らしいです。

その懐かしい店に、4人は再び集います。

昔、ジュニョクが入社した時、自分の取材手帳をくれたギハ。

その時の取材手帳に書いてあった言葉は、
「勇気は行動から育ち、恐れは迷いから育つ」でした。
その時の手帳をジュニョクは今も大事に持っているんですが、
店に現れたギハは、黙ってジュニョクに新しい手帳を渡します。

最初の1ページには、
「適当にやろう、後輩。適当にやれば幸せになれる」と書いてありました。
(적당히となってました。たぶん、いい加減にというよりは、力を抜いて、っていう感じかなあと思いました。
日本で放送される時、どう訳されるのか気になりますね~)
ジュニョクの顔を見ずに無表情で手帳を机に置くギハ、相当なツンデレです💦

店の中を見ると、ジュニョクの目にスヨンの幻が映ります。
先輩たちと自分とスヨンと。


社の伝統にならって、生卵を飲まされるスヨンの姿。
そして、ジュニョクに向かって取材行ってきます!と言って笑うスヨン。
もしこれ現実であればと、何度も思ってしまいました…

そして、ジュニョクは、ヤン次長、セジュン、ギハに自分の決意を語ります。
何かを変えるのではなく、私たちが変わらないでいよう、
頑張っている後輩たち、若者たちにために、自分は調査する。
(これは採用不正のこと、スヨンの死のことを忘れないで調べるということかなあ、と思いました)
みんなが忘れてしまっても、私たちは掘り下げよう、と。

そして、「HUSH」と書かれた名刺(?)を取り出して言います。
すべて終わるまで秘密にしていてくださいーーー
そして、唇に指をあてます。

ようやく、ハッシュの本当の意味が出てきましたね。
これまで、悪いことを黙っていろ、という強要される沈黙を意味していた言葉が、
最後までやり遂げるまで胸にしまっておいてほしい、という約束と信頼を表す言葉に変わりました。
ジョンミンさんがインタビューで言っていた意味がようやく出てきた4話のラストでした。





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