【韓国ドラマ】「ハッシュ(허쉬)」第5話感想/ファン・ジョンミン

12月11日より、ファン・ジョンミンさん出演のドラマ「ハッシュ」が始まりました。
いずれ日本でも放送されると思いますが、それまで待ちきれずにご覧になっている方向けに簡単なご紹介(っていうか、自分的に印象に残った部分)を書いてます。
完全にネタバレです! あらすじ解説でもないので見ていない方、これから見ようという方には正直おすすめしません💦

あと、字幕がないため間違って理解している部分もあるかと思います。その点はご了承ください。

ネタバレ注意‼

■心を込めて熱く悩むのが記者じゃないですか?

5話では、ジスが初めて取材を行い、自分の記事を書くことになります。

ジュニョクの計らいで、社会部で取材をすることになったジス。
そんな時、バイクでチキンの配達をしていた若者が、飲酒運転の車に轢かれる事件が起きます。
運転していたのは、議員の息子で芸能人。
それだけでなく、運転をマネージャーがしていたことにしていました。

運転手の入れ替えの証拠をつかんだ、ギョンウとジュニョク。
ジスは、被害者の働いていたチキン店に行き、店長の取材をします。

被害者の若者を、夢もない、いつもゲームばかりしている、ダメな若者のように語る店主。
彼がやってたゲームは何かとか、配達していたチキンは何か、とかくだらない質問ばかり繰り返す記者たち。

そんな中、ジスの質問はすかっとしましたね。
「彼に夢がなかったっていうのは確かなんですか?
あなたは息子のように小言を言ったと言ってましたが、それは心からですか?
もし息子のようだというなら、どうして病院に行かないで、こんなところにいるんですか?」

うまく社会のレールに乗れずに、ドロップアウトしてしまった若者たち、
そうした弱者たちに、SNSも含めて世間は冷たいんですよね。
このドラマでは、そうした弱者に寄り添おうという視線がずっと感じられますね。
寄り添うと言っても、そちらに肩入れするということではなく、
そうした社会のあり方を冷静に、かつ暖かく見守っているような、そんな視線なんですよね。

私以外に重要な質問している人はいなかった、とジスがジュニョクに言うと、
ジュニョクは「本当に重要なことって何だ?」と尋ねます。
ジスは「진심(真心)」と答えます。

記者ならどこを見て、何を書くか、真心を込めて熱く悩むべきじゃないですか?

聞いて取材する方も、真剣に悩みベストを尽くすべきだ、そういうジスの言葉が印象的でした。

これまで、ジスってどこか、ちょっと感情移入しずらいキャラだったんですよね。
確かに過去の因縁からジュニョクに対して態度が…っていうのは別に分かるんですが、
他の人に対してもちょっと横柄な感じがあって…(世間の人すべてに対して被害者意識振りかざしてる感じ?)
記者としての何の実力もないのに何を偉そうにしてんだろうなあ~みたいな感じがありました。
本当の記者になりたいだろ?って言われて、「記者? はっ?」って感じの態度も…💦
じゃあなんで新聞社に入ったんだよっ!って、正直思わず突っ込みたくなってしまいましたし💦

でも、このシーンを見て、
ジスは少し素直になれなかっただけで、
心の中はすごく熱い思いがある子なんだなあ~って思いました。
そういう部分がこの5話、6話の中で感じられて、ぐっと好感度が上がりましたね💦
ヤン・キャップがジスのことをジュニョクにそっくりって言ってましたけど、
これから二人のコンビがとても楽しみですね。

■「その火を消さず、熱く煮え立て」その言葉は…

翌朝、ジスは徹夜で記事を書きあげるのですが、それが採用されないだけでなく、
勝手に違う記事が署名記事にされてしまっていました(ということでいいんですよね?)
ギョンウの特ダネ、運転手のすり替え記事も局長に握りつぶされてしまいます。

その上、報道には、バイクを運転していた若者を非難するような風潮があふれていました。
危険運転が好きだったとか、多額の和解金を求めてるとか、
バイクゲームに熱中していて危険運転の常習犯だったみたいだ、というような感じです。

ジュニョクはジスを慰めるために、
いつものコムタン屋へ連れて行き、記事のことや会社の対応について話します。

すると、ジスは、
私が怒ってるのは、金持ちや権力者が罪を逃れようとすることではない。
被害者を悪者のように書くゴミ記者の方だ、と言います。
被害者に寄り添えとは言わない、ただ公正な判断をすべきだ、そう憤ります。

そして、自分が取材したことは使われず、
真実も書かれず、被害者を貶めるような記事が掲載されてしまったことを、
ジスは涙をこらえながらジュニョクに訴えます。

「私はこの人たちに大きな借りを作ったようで、本当に申し訳なくて。
あなたは私に火を消すな、熱く煮え立っていろ(セリフでは끓어오다煮え立つとかたぎるです)って言いましたよね」

そうジスは言います。
でもその気持ちは、ことの大きさの違いはあれ、まさしく6年前にジュニョクが経験した思いだったんですね。
自分の記事は採用されず、正反対の記事を自分の名前であげられてしまった。
その時のジュニョクの思いは、まさしく今のジスと一緒だったんです。
ジスの父親に一生返すことのできない借りを負うってしまったという気持ち。

ジュニョクはその時の気持ちをジスに話し始めます。

自分の誤報で死んでしまった先輩がコムタンが好きで、
死ぬ前にここでコムタンを一杯奢ってくれた。
そして、詩を一遍書いてくれた。彼は若い頃詩人になりたかったそうだ。

紙ナプキンに書かれた詩は、

取るにたりないことでその火を消さず
より熱く、大きく煮え立て、私(コムタンの擬人化?)のように。  
ーコムタンー

この詩の言葉。
ジュニョクが2話でインターンたちに語りかけた言葉ですよね。
これはイPDからもらった言葉だったんですね。

そのナプキンを見せて、ジュニョクは言います。

「コムタンだけでなく詩まで、
その借りを自分は一生返すことはできない。
自分の罪で二度とコムタンのように熱く煮え立つことができないこと
負い目だと思ってないって? 申し訳ないと思ってないって?
この6年間、私がどんな気持ちでいたか分かるか?」

そうなんですよね。
6年間、ジュニョクも本当にジスと同じ気持ちだったんだろうなあ。
でも、ジスからすれば、
あなたに私の何が分かるの!あなたに父のこと語ってもらいたくない、という気持ちになってしまったのだと思います。

つい、怒りに任せ、
私のお父さんの夢は詩人じゃない、
一番好きなのはコムタンじゃなくて、私と同じチキンだ!と言ってしまいます。
たぶん…察するに、ジスは父親の夢が詩人だったことも知らなかったんですよね。
でも、ジュニョクに自分の父親のことを物知り顔で語られたのが許せなかったんだろうなあ。
気持ちはすごくよく分かります。

その告白に衝撃を受けるジュニョクも、怒りに任せ告白してしまったジスも
二人ともが痛ましくて、悲しいシーンでした。
コムタン屋の窓の外に、父親と娘の若き姿を見るジュニョク。

そして、今回の取材で、現実の残酷さを書いたジスの記事のラストの一文は、

「帰宅途中の父の手に握られていたチキンの香ばしいにおいと別れたのはもう昔だーーー」

そのジスの記事を読むジュニョクの手は震えていました。
チキンを買ってかえるはずだったイPDのことを書いた文だと気づいたのですね。

とても、悲しいラストシーンではありましたが、
ジスはやがて、6年前のジュニョクの気持ちが、今自分が感じている無力さ、すまなさと同じだと気づき、
6話でついに二人はこの悪縁を乗り越えていくことになります。

■「デイリー韓国」に渦巻く陰謀について

最後に、5話でようやく、物語のカギとなる「デイリー韓国」に渦巻く陰謀のようなものが見え隠れし出しました。

一番気になる点は、
クモン社の採用不正のリストについてです。
これは実際にギョンウの友人からもらったもので、ジュニョクたちもチェックした上で記事したものでしたが、
実はこれが偽物だったようです。
ギョンウの友人とはジュニョクも一緒に話を聞いてますし、何か企んでる感じはなかったので、
このリストが何故偽物だったのか? このあたりは謎です。

そして、リストが偽物で、記事が誤報だったとした謝罪記事の掲載。
このタイミングがあまりに絶妙であり、裁判での効果を狙ったものではないか、
など世間からも疑いの目を向けられている状況のようですね。
そして、ジュニョクはこの謝罪記事を書いたのがナ局長であることを確認し、
記事が上がった時間からして、
局長は最初からこのリストが偽物であることを知っていたのではないかと疑い始めます。

そして、そのジュニョクの行動を何者かが監視していることにも、
ジュニョクは気づきます。

また、今回の運転手のすり替え記事も、
局長が差し止めるのがあまりにも早かったので、
どこからか情報が洩れているのではないか、ということも何となく疑われる感じです。

デジタルニュース部を「デジタル・デイリー韓国」として独立させたこと。
などなど、何かいろいろ怪しいなあ、とにおわせる部分が多々あります。
このあたりが今後どのように展開していくのか、楽しみですね。

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