【韓国映画】興行成績から見るファン・ジョンミンおすすめヒット映画10本

ファン・ジョンミンさんは韓国では、かなりのヒット映画に出演されています。
ここでは、韓国で興行成績がよかった映画10本を紹介します。

ちなみに、ファン・ジョンミンさんの代表作5本を紹介した記事はこち

【韓国映画】ファン・ジョンミン出演おすすめ代表映画5本
 韓国を代表する俳優ファン・ジョンミンさんファン・ジョンミンさんは韓国を代表する俳優さんです。そんな俳優ファン...

 ファン・ジョンミンさんのチケットパワー

韓国では、映画の評価という点で、観客動員数はかなり重視されてるポイントです。
映画の基本情報には、必ずと言っていいほど、観客動員数が記載されていますし、
また、観客動員数だけでなく、損益分岐点(BEP)も重視されている点です。
制作費が回収できる観客動員数がBEPです。
これを上回れば、映画は成功と見なされ、下回れば失敗と見なされます。

やはり制作費が回収できてこそ、映画も商売として成り立つわけですし、
特に制作費をかけた映画であれば、出演者、監督、制作会社、すべてにプレッシャーがかかることになります。

そんなシビアな韓国映画界でも、
ファン・ジョンミンさんはチケットパワーを持っている俳優の一人とみなされていると思います。

韓国映画協会の200人の韓国俳優を紹介しているサイトで、
ファン・ジョンミンさんのことを、

俳優としての魅力、演技のスキル、チケットパワーを合わせ持つ、映画会社にとって信頼できる俳優

と紹介しています。

演技が上手で魅力的な俳優であると同時に、映画をヒットさせる力を持つ俳優でもあります。
そんなファン・ジョンミンさんのヒット映画を、韓国での興行成績順にご紹介します。

 「国際市場で逢いましょう」(2015年)観客動員1,426万人

2015年公開
朝鮮戦争、ベトナム戦争等、激動の時代を家族のために生きた平凡な男の生涯

あらすじ
朝鮮戦争中、朝鮮北部の興南から南へ逃げようとしていたドクスの家族は、戦火の混乱で末妹と離れ離れになってしまう。妹を探しにいった父ともそのまま生き別れとなり、母と弟妹とともに釜山へと渡ったドクスは、国際市場にある叔母の店に身をよせる。
成長し家計を支えるようになったドクス(ファン・ジョンミン)だったが、弟の学費のために親友のダルグ(オ・ダルス)と共に西ドイツに出稼ぎに出るなど、家族のために懸命に働くのだった。

おすすめ映画でも紹介させていただきましたジョンミンさん代表作。
朝鮮戦争後の激動の韓国史を生きた世代の父親像を描き、
韓国で大ヒットしました。
誰もが、自分の父や家族を重ねてこの映画を見たのではないでしょうか。

ジョンミンさん演じるドクスは、頑固であるが、さっぱりした、キョンサンド気質なキャラクター。
その上、ちょっととぼけたひょうひょうとした主人公はとても好感が持てます。
また、韓国の家族における父という存在がどういうものか、
生き別れた父との関係、父の代わりに母や弟妹を守ろうとする主人公の姿、
やがて平和な時代になり子供たちが成長し、父の役割を静かに終えるーーー
主人公の辛い生涯をえがきながら、明るく楽しくたくましい一家の姿が印象的な映画です。

 「ベテラン」(2015年)観客動員1,341万人

2015年公開
熱血刑事と財閥御曹司の対決を描いた痛快アクション映画

あらすじ
ソ・ドチョル(ファン・ジョンミン)は、正義感溢れるが破天荒な広域捜査隊のベテラン刑事。財閥に対し抗議していた友人のトラック運転手が、シンジン財閥の建物の非常階段から謎の飛び降り自殺をする。
ドチョルはその自殺未遂を不審に思い、直前に会っていた財閥御曹司のチョ・テオ(ユ・アイン)が怪しいとにらみ、調査を始めるのだった。

こちらもおすすめ映画の中で紹介した「ベテラン」
何と、「国際市場で逢いましょう」と同じ2015年の公開作品です。
誰にでも自信をもっておすすめできる楽しい映画で、財閥御曹司の悪行を、刑事たちが暴くという内容になっており、いわゆる勧善懲悪ストーリー。
本当に楽しい映画で、韓国でも大ヒットとなりました。
こういう楽しい良質な娯楽映画が大ヒットするのが、韓国映画のよいところだなあと思います。

この映画が特に魅力的なのは、主人公側の広域捜査隊の刑事たちのキャラクター、
それから、悪役側の御曹司のキャラクター、
これらがとてもよく描かれていて、見ている人を引き込む魅力があります。
ファン・ジョンミンさん演じる主人公のドチョルは正義感はありますが、破天荒ではちゃめちゃ刑事で、ぴったりな役どころでした。

 「華麗なるリベンジ」(2016年)観客動員970万人

2016年公開
罠にかけられた暴力検事がイケメン詐欺師と仕掛ける復讐劇

あらすじ
血の気の多い暴力検事ピョン・ジェウク(ファン・ジョンミン)は、環境問題のデモに参加した青年をいつものように殴って取り調べを行っていた。しかし、その青年が翌日死んだことから、殺人の罪をきせられ、刑務所に収監されることとなった。
やがて、刑務所で一目置かれるようになったジェウクは、詐欺師のハン・チウォン(カン・ドンウォン)と出会い、出所するチウォンを協力者として、自分を陥れた人々へ復讐を始める。

ファン・ジョンミンさん、カン・ドンウォンさんのキャラクターがよく、バディものとしてとても楽しめる映画です。
ファン・ジョンミンさん演じるジェウクは決して品行方正な検事ではないのですが、善と悪を合わせもつ魅力的な人物として描かれており、また、カン・ドンウォンさん演じるチウォンもちゃらいお調子者感がいい感じにはまっていて、お二人のバディぶりをもっと見たくなる作品でした。
陥れられた検事が、自分を陥れた人々に復讐するストーリーなので、定番の痛快さもあり、大きなヒットとなりました。

 「ヒマラヤ」(2015年)観客動員772万人

2015年公開
偉大な登山家とその仲間たちが挑んだ実話を基にした感動の山岳映画

あらすじ
登山家オム・ホンギル(ファン・ジョンミン)は、アジア初のヒマラヤ8000メートル峰の登頂に成功し、数々の偉業を成し遂げた後、足の怪我のため引退する。しかし、かつてヒマラヤを共に登頂した愛弟子のパク・ムテク(チョンウ)が、エベレストの山頂付近で遭難したことを知る。
ホンギルはかつての仲間とともに、ムテクの遺体を回収するため、ヒマラヤのデスゾーンにへ挑むのだった。

登山家のオム・ホンギルさんは、韓国では有名な実在の登山家で、とても偉大な尊敬されている人物だそうです。
もちろん、実物はよく知りませんが、このオム・ホンギルさんを演じることは大変なプレッシャーだったのではないかと思います。
カリスマあふれる遠征隊の隊長でありながら、ジョンミンさんらしい飄々とした朴訥とした印象も醸し出しており、親しみやすさも兼ね備えた役として、多くの観客に好意的に受け入れられたのではないかと思います。

実際のヒマラヤでの撮影など、登山シーンは胃が痛くなるようなシーンが多く、なかなかドキドキさせられる映画です。
現地での撮影もとても大変だったとのこと、大きな事故もなく、またヒット作となって本当に良かったと思います。

 「コクソン」(2016年)観客動員687万人

2016年公開
シャーマニズムの要素を盛り込みながら人間心理を描いた傑作映画

あらすじ
ある田舎の村で、村人が家族を惨殺する事件が立て続けて発生する。事件にはいろいろ不可解な点が多く、やがて、村人たちは山中で暮らす謎の日本人(國村隼)が関わっているのではないかと噂するようになっていた。
警察官のジョング(クァク・ドウォン)も、その日本人に徐々に疑念を抱き、男の家を訪問する。すると、その後、ジョングの娘ヒョジンが奇行を繰り返すようになり、悪魔つきではないかと疑われた。
そこで、ジョングと家族は祈祷師のイルグァン(ファン・ジョンミン)に、ヒョジンの悪霊祓いを依頼するのだが…

シャーマニズムや悪魔崇拝などの要素が盛り込まれており、怖くぞっとする映画でした。
いまだに私もちゃんと理解できていない難しい映画でもあり、それだけ見た後にいろいろな解釈ができる点が、この映画の面白さでもあります。
ファン・ジョンミンさんは助演での出演で、映画の後半からの出演になります。
韓国の祈祷師ムーダンの役で、外見、雰囲気、役柄すべてがここ数年韓国の人が見慣れたファン・ジョンミンさんからは想像できない演技で、あらためてジョンミンさんのすごさを実感できる映画でもあります。
ちなみに、その祈祷のシーンは本職も舌を巻くほどリアルだったことも話題になりました。
また、主演のクァク・ドウォンさんも素晴らしく、國村隼さんの怪演も見事でした。
しかし、とても一般受けするような内容ではないですが、600万人を超えるヒット作となり、韓国の観客の懐の深さを実感します。

 「軍艦島」(2017年)観客動員659万人

2017年公開
第二次世界大戦中の軍艦島を舞台にした豪華キャストのスペクタルアクション映画

あらすじ
1945年。バンドを率いるイ・ガンオク(ファン・ジョンミン)は、娘のソヒを連れ、一獲千金を夢見て日本へと渡る。しかし、騙されたガンオク、鍾路のヤクザだったチェ・チルソン(ソ・ジソプ)、売春婦のオ・マルリョン(イ・ジョンヒョン)たちは、強制徴用され、軍艦島に連れていかれると、炭鉱で働かされることとなった。
一方、韓国臨時政府の秘密要員であるパク・ムヨン(ソン・ジュンギ)は、独立運動の重要人物を救出するため、密かに軍艦島に潜入する。やがて、日本の敗戦が濃くなり、軍艦島の司令官が朝鮮人を殺そうと考えていることに気づいたムヨン、ガンオクたちは軍艦島を脱出することを決意する。

観客動員は600万人を超えましたが、莫大な制作費をかけて制作されており、損益分岐点が800万人であったことから、韓国では興行失敗とみなされています。
また、CJエンターテイメント系列のシネコンCGVでのスクリーン占有問題、
歴史歪曲、愛国プロパガンダ問題など、
多くの批判を浴びて、ファン・ジョンミンさんの出演映画としては、
韓国では黒歴史的扱いになっているのかなあ~と思います。
日本軍、日本人がかなり悪者に描かれていることから、日本で公開されることなく埋もれてしまった作品でもあります
(北米、東南アジアなど、その他の国ではとても好評だったようですが💦)

確かに、歴史的背景もある映画のデリケートさもありますし、
若干、単純なシナリオやステレオタイプの登場人物に難があるのも分かりますが、
とにかく、スケールの大きいスペクタクルアクション映画として、
難しいことを考えずに楽しむ作りになっているので、
個人的にはあまり細かいことを言ったら、監督がかわいそうだなあ~と思ったりもしました。
また、人口的に作られた島、軍艦島という舞台の魅力を存分に生かしており、
軍艦島の様子を再現した巨大セットは本当に素晴らしく、やはり映画として魅力的ではあるなあと思います。
デリケートな歴史的題材をエンターテイメント作品に仕上げることの難しさを考えさせる映画になりました。

 「工作」(2018年)観客動員497万人

2018年公開
北朝鮮へ潜入した韓国の工作員の実話をベースにしたスパイ映画

あらすじ
1990年代前半、韓国の軍人パク・ソギョン(ファン・ジョンミン)は、国家安全企画部のチェ・ハクソン室長(チョ・ジヌン)の命により、コードネーム「黒金星」という工作員として北朝鮮の核開発の実態を探っていた。韓国の事業家に扮し、北京で工作を続けるパクは、北朝鮮の対外交渉を担う高官リ・ミョンウン(イ・ソンミン)の信頼を得ることに成功し、ついには平壌へ行き、キム・ジョンイルに会う機会を得る。

ほぼ同時期に公開されていた「神と共に2」が大ヒットしていたこともあり、
興行成績が伸び悩んだのが残念ではあります。
また、公開時はやはりその内容から北朝鮮寄りとの批判もあったかと思いますが、
その後の賞レースでの高い評価、他国での好評価からも、
もっとヒットしてもよい映画だったのでは、とも思います。

映画自体は実話をベースにしたスパイ映画ですが、ストーリーが面白く、
最初から最後まで半端ない緊張感があり、展開に引き込まれます。
ただのエンターテイメントではなく、韓国映画らしい、
国や政治、権力に振り回されて翻弄されていく主人公たちの姿や
社会性もしっかり盛り込まれています。

●映画紹介記事はこちら

【韓国映画】「工作」あらすじ、見どころ/ファン・ジョンミン、イ・ソンミン
ファン・ジョンミンさんの出演映画を紹介しています。(こちらではネタバレ感想はなしの紹介です)韓国でのポスター、スチール...

 「新しき世界」(2013年)観客動員468万人

2013年公開
ブロマンスという言葉を知らしめた韓国ノワールの傑作

あらすじ
犯罪組織ゴールドムーンのナンバー2チョン・チョン(ファン・ジョンミン)の部下であるイ・ジャソン(イ・ジョンジェ)は、実は8年の長きにわたる潜入捜査を続ける警察官だった。しかし、長い月日の中で兄貴分のチョン・チョンとは実の兄弟のような関係になっていた。
ある日、ゴールドムーンの会長の予期せぬ急死により、二人のナンバー2、チョン・チョンとイ・ジュング(パク・ソンウン)による後継者争いが勃発する。警察カン課長(チェ・ミンシク)はこの争いを利用し新たな秩序を築こうと、「新世界プロジェクト」と名付けた作戦をスタートさせる。

この映画は、韓国では청불(青少年観覧不可)として公開されました。
やはり、青少年観覧不可になると観客動員数には大きく響きます。
その中で、468万人を動員したというのは、本当にすごいことだと思います。
また、ファン・ジョンミンさん演じるチョン・チョンのセリフは韓国で知らない人はいないほど有名になり、
名シーンが数々のパロディに使われるなど、長く愛される映画となりました。

また、チョン・チョンというキャラクターの魅力は特筆すべきものがあると思います。
空港にサングラス、白いスーツにスリッパ姿の初登場シーンもインパクト大ですが、
子供がそのまま大人になったような屈託のなさ、率直さ、情の深さ、
まったく善悪正反対ですが、「ベテラン」のドチョルにも通じる
悪ガキがそのまま大人になったような、口は悪いけど、なんか憎めないーーー
非常に愛されたキャラクターではないかと思います。

●映画紹介記事はこちら

【韓国映画】「新しき世界」あらすじ、見どころなど/ファン・ジョンミン、イ・ジョンジェ、チェ・ミンシク
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 「ただ悪から救いたまえ」(2020年)観客動員434万人

2020年公開
ファン・ジョンミン、イ・ジョンジェの7年振りの共演が話題となった追撃アクション映画

あらすじ
暗殺者のインナム(ファン・ジョンミン)は日本で最後の仕事を終えた後、仕事を辞めようと考えていたが、タイで起きた子供の拉致事件を知り、それが自分と関係ある人物であることを知る。インナムはすぐにタイに向かい、協力者のユイ(パク・ジョンミン)に会って事件を追い始めた。
一方、日本で自分の兄(兄貴分?)がインナムに暗殺されたことを知ったレイ(イ・ジョンジェ)は、無慈悲な復讐者として、インナムを殺すためタイに向かうのだった…

コロナ禍で興行に苦しむ韓国映画の中では、異例のヒット作となりました。
コロナがなければもっと動員を伸ばせたと思うと、少し残念でもあります。

まず、「新しき世界」以来7年ぶりのファン・ジョンミン、イ・ジョンジェの共演ということで、二人のケミにとても注目が集まった作品です。
ストーリーとしては比較的に単純化されており、誘拐された娘を救おうと奔走するインナムとインナムを殺そうと執拗に追うレイの対決を描いたアクション映画であり、人生を生きる意味を失っていた男が娘の存在を知り、生きる意味を見つける親子の物語でもあります。
むしろ、単純化したストーリーに迫力あるアクションシーンを徹底して描いた作品作りが、
逆にヒットにつながったのかなあと思える娯楽映画です。

●映画紹介記事はこちら

【韓国映画】「ただ悪より救いたまえ(ただ悪から救いたまえ)」感想、あらすじなど/ファン・ジョンミン、イ・ジョンジェ
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 「ダンシング・クィーン」(2012年)観客動員405万人

2012年公開
ファン・ジョンミン、オム・ジョンファが実名の役を演じるコメディ映画

あらすじ
結婚し平凡な主婦として過ごすジョンファ(オム・ジョンファ)は、若い頃のダンス歌手になる夢を諦められずにいた。そんな時、夢をかなえるチャンスが訪れ、夫のジョンミン(ファン・ジョンミン)に内緒で歌手としてのデビューを目指すこととになる。
しかし、弁護士の夫がひょんなことから、ソウル市長選に出馬することとなり、ジョンファは歌手とソウル市長候補の妻という二重生活を送ることになる。

お二人が実名の役を演じるコメディ映画ということで、なんか色物っぽいなあ~と思っていましたが、
実際に見てみると、女性の人生や夫婦のあり方などといったテーマを、楽しいコメディ映画に託した、なかなかよい映画だなあ~と思いました。
すでに40歳を超える主婦のジョンファがダンスグループとしてデビューするというのは、ちょっと荒唐無稽とも思いましたが、その荒唐無稽さがかえって面白く、
また、ファン・ジョンミンさん演じる夫役が、なんとも親しみを感じさせるような役どころで、ジョンミンさんファンとしても楽しめました。
長年の親友である二人の3度目の共演も最高のケミを見せてくれています。

 まとめ

観客動員数ベスト10の映画をご紹介しましたが、
どれもヒットしただけあって、面白く楽しめる映画になっています。

韓国映画の、観客動員、特に損益分岐点へのプレッシャーは半端ないなあ~といつも思います。
特に主演を務める座長にかかるプレッシャー、責務は大変なものでしょう、と想像します。

ジョンミンさんは昔から映画公開時にはいつも、
プロモーション活動に骨身を惜しまず、頑張っていらっしゃる印象があって、
そんな努力がこの興行成績にもつながっているのかと思います。
ファンとしては、今後もプロモーションから応援して公開まで盛り上げていきたいですね。

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