【韓国映画】「新しき世界」チョン・チョンの最後のセリフ「お前、俺を許せるのか?」の意味について

(注意)
完全に映画の内容のネタバレになっています。
映画をご覧になっていない方は意味が分からないと思いますので、
ご覧になった方のみお読みください!

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チョン・チョンのセリフ「お前、俺を許せるのか?」

映画の場面や解釈については
当然見た人の数だけあるのだろうなあと思いますし、
素敵な感想やレビューを書いていらっしゃる方の
ずばらしい解釈はいつも楽しみでもあります。

例えば、韓国の「新しき世界」ナムウィキでも、
「誰が会長を殺したのか」についての考察がまとめられていますが、
あえて、分からないように(誰とも言えないような?)
綿密に計算された
そのシナリオこそが秀逸である、
ということも書かれていて、
なるほど~と思ったりもします。

ただ、映画の中の行為やセリフの解釈は
はっきりと描かれていない以上、
いろんな解釈があっていいと思いますし、
見た人がそれぞれ違う感じ方をするのも
こうしたエンタメ作品の面白さでもあるので、
ここでは、感想という形以外で、
解釈について記事を書くのはできるだけしないつもりでした。

今回の記事の内容も
人によっては無粋に思うかもしれませんし、
そうじゃないでしょ!と感じる方もいると思います。
それでも、あえてこのチョン・チョンのセリフ、

「お前、俺を許せるか?」

についての記事を書きたいと思ったのは、
自分自身が最初このセリフを聞いた時、
すごくもやっとした気持ちになったからです💦

もちろん、解釈は人それぞれですし、
あえて、もやっとするセリフにしているという可能性もありますが、
もやっとした理由としては、

映画のセリフが韓国語であるということ、
日本語訳が直訳でなく意訳であること、
セリフの流れの中で少し意味が通じないな、と感じたこと、
そして、何より、
このシーンのチョン・チョンのセリフの一つ一つが
映画の中でとても重要なセリフとなっていて、
きちんと知りたい、

ということがあったと思います。

結果的には、韓国語のセリフを聞いても
決してすんなり落ちるセリフではないのですが、
この記事が映画を鑑賞する上での
参考になるとよいなあ~と思って、まとめてみました。

韓国語では「お前は俺が手に負えるのか?」

始めに申し添えておきますが、
このシーンは、短いセリフ、行為に
二人の心情があふれるほどに盛り込まれた名シーンなので、
見ているこちらもいろんなことを考えてしまうのですが、
そこはあくまで人それぞれなので💦

ここでは、韓国のナムウィキの記述を元にした
このシーン、セリフ等の解釈の範囲にとどめさせていただきます。

まず、
チョンチョンが死ぬ間際に言った件のセリフについて
日本語の字幕を確認してみますと、

「もしも、もしもだが
俺の命が助かったらどうする?
お前、俺を許せるのか?」

となっています。

それでは、この部分、韓国語ではどうなっているのか、
というと、

「너 만일 하나…
천만분의 하나라도
내가 살면 너 어떡할라고 그래?
너, 나 감당할 수 있겄냐?

となっており、

「お前、俺を許せるのか?」という部分は下線の部分になります。

そこで”감당할 수 있다”を辞書で引きますと、
「手に負える」とか「耐えられる」
などの意味になるようです。

私が手に負えるのか?
私を耐えられるか?
ということになりますが、
これも直訳では???な感じになりますね💦
そのため意訳がされたのだと思います。

セリフ全体を見てみると、

「もし万が一、千万が一でも
俺が助かったなら、お前はどうするつもりだ?
お前、俺が手に負えるのか?」

となっていますので、
なんとなく理解できる気がしますね。

ここでは、チョン・チョンはすでにジャソンの正体に気づいていて、
もし自分が助かって生き残ったら、
裏切者であるジャソンが許せなくなったり、
処罰しなければいけなくなったり、
また、マフィアと警察として対立する状況に陥ったりする、
かもしれない。
そういた事態をお前は何とかできるのか?
できないだろう?
ということ、になるわけです。

生きていたら、
俺はお前を殺さなければならくなるかもしれない、
お前はそれを何とかすることはできないだろう。

そして、そこには、
俺はそんなことは望まないから
だから、このまま死なせてくれ、
という意味が込められています。

そして、この自分の命を捨ててまで
ジャソンを助けようとした
チョン・チョンのこの言葉が
ジャソンの今後の行動の起爆剤になったと
されていますね。

この辺りは前後のセリフや
チョン・チョンがジャソンが差し出した呼吸器を拒む行為を見てみると、
より分かりやすくなると思います。

チョン・チョンのセリフに込められた思い

それでは、この部分の前後のセリフも見ていきましょう。

まず、チョン・チョンが
ジャソンに言います。

「おい、ブラザー、苦しんでるみたいだな
そんなに悩まないで、この辺で選べ

兄貴の言うことを聞け
お前が生き残るためだ」

このセリフにより、
チョン・チョンがジャソンの陥っているどうしようもない状況に気づいていることが分かり、
それを気遣っていることが分かりますね。

警察を捨てて組織に残るか、
組織を裏切って警察につくか、
このままどちらも選べないままだと、
お前は死ぬことになるぞ、と言っているわけです。

ジャソンの裏切りを知って、
なお、ジャソンの身を案じるチョン・チョン。

「選べ」と言っていることから、
決して警察を裏切ることを強要しているわけではなく、
どちらかを選ばないと、身の破滅だと
組織の行く末ではなく、
ジャソン個人の身を案じてくれているわけです。

ジャソンを駒のように扱い追い詰めるカン課長との
対比が決定的になるシーンでもあります。

そして、ジャソンもまた、
チョン・チョンが自分の裏切りに気づいていることを知る。
ジャソンにとっては
自分の正体を知るチョン・チョンが
このまま死んでくれればむしろ都合がいいはずなのですが…

しかし、ジャソンはここで、
チョン・チョンに呼吸器をつけるよう頼み、
また、チョン・チョンはそれを強くこばむんですね。

ジャソンが哀願するように「ヒョン…」と言い、
そして、以下のセリフにつながるわけです。

「何しやがる、この野郎
もし万が一、千万が一でも
俺が助かったなら、お前はどうするつもりだ?
お前、俺が手に負えるのか? 」

この流れで見ますと、
「お前、俺が手に負えるのか?」
という言葉が、
お前が困るだろうから、このまま死なせてくれ、
という思いが込められた言葉だと分かりますね。

最後は中国語で

「強くなれ、強く生きるんだ
俺の舎弟よ
それがお前の生きる道だ、分かったか?

독하게 굴어
그래야 니가 살아,알지?)」

という意味の言葉を言っています。

日本語訳では「強く生きろ」と
なっていましたが、
韓国語の感じだと「容赦なくふるまえ」
という感じになるでしょうか?

チョン・チョンは
率直で情に厚く、魅力的な部分もありながら
頭が切れて、敵に対しては残酷で容赦ない面も合わせ持っていました。
それはジャソンが持つことのできなかった冷酷さでもあったでしょう。

そして、ジャソンにも、
どちらにつくにしても
容赦なくふるまわなくてはいけない、
ジャソンが今の苦境を抜け出すために
覚悟を決めろ、という言葉だったと思います。

自分の命を捨ててまで
ジャソン個人を思ってくれるチョン・チョンと。
自分の命が危ないことを知りつつ
チョン・チョンに生きてほしいと願ったジャソンと。
少なくとも二人の絆については本物だったと
分かるシーンだ、という解釈が書かれていました。

8年間の潜入生活で自分のアイデンティが揺らいでいたジャソンにとっても、
チョン・チョンとの個人的な絆だけは
自分が警察であろうとなかろうと、
変わらない確かなものだったのだと
気づいた瞬間だったに違いありません。

もちろんすでに警察に戻る道を絶たれていたジャソンにとって
取れる選択肢は多くなかったとは思いますが、
この言葉がこの後の行動のひとつの契機になったことは間違いありません。

また、チョン・チョンがジャソンの意思を尊重しながらも、
本心ではジャソンがゴールドムーンを選び、
自分の後をつぐこと、
そして、ジャソン自身と部下たちを守ってくれることを
望んでいたことでしょうから、
結局、望む「新しき世界」を実現したのは
(そこに自分はいないけど)
チョン・チョンだったのではないか、との解釈ものっていました。

ファン・ジョンミンさんの選ぶ名場面

ちなみに、
ポッドキャスト「シネマウンテン」という番組で、
ファン・ジョンミンさんが選んだ「新しき世界」の名シーンは
まさしくこのシーンでした。

それはそうだよね~
と思いましたが、
その理由が意外で面白かったです。

もちろん、ここは二人の感情があふれる
誰もが認める名シーンなわけですが、
ジョンミンさんはセリフとかよりも、
チョン・チョンが死んでいく時の
呼吸や顔の筋肉の動きがとてもリアルに演じられた、
ということで気に入りのシーンのようです。

死んでいく人の顔の筋肉の動きや弛緩する様子を
鏡を見て何度も練習したとか…
いやあ、もう演技オタクですね💦

もちろん、セリフや感情は当然のことだから、
あえて言わなかっただけかもしれませんし、
まあまあ、照れ屋なので、
自分のシリアス演技は쑥스러워で
語りたくないだけかもしれませんが😊

にしても、死んでいく人の筋肉の動きとか…
観察する時点で…いや、なんかすごいですよね💦

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